(引用元:一般社団法人日本中小企業金融サポート機構)
近年、資金調達方法として、ファクタリングが注目されているようです。ファクタリングとは、自社が保有する売掛金を買い取ってもらい期日前に現金化が可能な資金調達方法です。
本記事では、一般社団法人日本中小企業金融サポート機構についてスポットを当ててみます。取り扱っているファクタリングの特徴やメリット・デメリット、および口コミについて紹介します。
日本中小企業金融サポート機構とはどのようなファクタリング会社?
(引用元:一般社団法人日本中小企業金融サポート機構)
はじめに、一般社団法人日本中小企業金融サポート機構(以下、日本中小企業金融サポート機構)が取り扱っているファクタリングの基本的な内容と、会社概要について解説します。
そもそもファクタリングとは?
ファクタリングには、ファクタリング会社が売掛金を買い取る「買取型」と、売掛債権を保証する「保証型」とがあります。日本中小企業金融サポート機構は買取型のファクタリングを取り扱っているので、「買取型」ファクタリングについて説明します。
ファクタリングとは、自社が保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらい現金化する資金調達方法の一つです。買取型には次の2つの手法があります。
- 2社間ファクタリング
申込人とファクタリング会社との間でやりとりする手法。特徴として売掛先に知られずに資金調達が可能で、審査が早い点があります。一方で、未回収リスクが高いため、手数料が8~18%が相場とされているようです。後述する3社間ファクタリングより高めに設定されています。
- 3社間ファクタリング
申込人とファクタリング会社、および売掛先との間でやりとりする手法。特徴として、債権譲渡であるため、売掛先の同意が必要な点があります。売掛先は申込人ではなく、ファクタリング会社に入金します。そのため、未回収リスクが低く、手数料が2~9%と2社間ファクタリングより低い点も特徴です。現金化まで時間がかかり、売掛先にファクタリングによる資金調達が知られる点があります。
組織概要
日本中小企業金融サポート機構の組織概要について紹介します。一般社団法人であり、株式会社でないところが特徴といえるでしょう。
【組織概要】
名称 | 一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構 |
代表理事 | 谷口 亮 |
所在地 | 〒105-0011
東京都港区芝公園一丁目3-5 ジー・イー・ジャパンビル2階 |
連絡先
|
TEL: 03-6435-7371
FAX: 03-6435-8728 |
設立 | 2017年5月 |
事業内容 | 資金調達、資本政策、企業の財務及び事業再生等に関する
アドバイザリー及びコンサルティング業務 |
info-s@chushokigyo-support.or.jp | |
URL | https://chushokigyo-support.or.jp/ |
事業内容の具体的なサポート内容として、次の業務に取り組んでいるとのことです。
- 助成金・補助金
- 金融機関の紹介
- M&A
- リースバック
- クラウドファンディング
- 事業マッチング
- ファクタリング
日本中小企業金融サポート機構は、企業のサポートの一環として、ファクタリング事業を展開しているようです。
取扱ファクタリングの内容
日本中小企業金融サポート機構が取り扱っているファクタリングの内容は以下の通りです。
【ファクタリング内容】
ファクタリング種類 | 2社間/3社間 |
対象事業者 | 法人/個人事業主 |
調達スピード | 最短即日 |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 1.5%~ |
契約方法 | オンライン・郵送・面談 |
必要書類 | ・通帳のコピー(表紙付き、3か月分)
・売掛金に関する資料(請求書・契約書など) ・本人確認資料 |
手数料
他のファクタリング会社と違い、非営利法人であるため、低水準で利用できるようです。
手数料は1.5%~となっているとのことです。ただし、2社間ファクタリング、3社間ファクタリング、売掛先の信用状況等により、手数料が変わるので注意が必要でしょう。
審査時間
最短30分で審査が完了し、最短3時間で入金ができるそうです。経験豊富なスタッフによる審査が行われ、その日のうちに資金調達が可能とのことです。主に売掛先を審査します。申込人の事業内容が、赤字や債務超過といった芳しくない状況であっても審査に影響しないようです。
買取価格の制限なし
日本中小企業金融サポート機構は、買取価格に制限を設けていないそうです。
金額の大小を問わず対応可能のようで、3万円~2億円の買取実績があるとのことです。
法人、個人事業主双方利用可能
日本中小企業金融サポート機構は、法人、個人事業主ともに利用可能となっています。
ただし、売掛先が個人である場合、事前の相談が必要であるそうです。
日本中小企業金融サポート機構の特徴
日本中小企業金融サポート機構の特徴として次の5点があります。
- 非営利法人である
- 経営革新等支援機関である
- 3種類の契約方法を採用
- 個人事業主も利用できる
- サイト内の「即日調達診断」に利用で調達金額の概算がわかる
それぞれについて紹介します。
非営利法人である
ファクタリング会社の大半は株式会社ですが、日本中小企業金融サポート機構は「一般社団法人」という「非営利法人」です。そのため、手数料が一般のファクタリング会社より低く抑えることが可能のようです。
経営革新等支援機関である
日本中小企業金融サポート機構は、経営革新等支援機関である点も特徴の一つといえそうです。経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関して専門的な知識を有し、実務経験を持つ事業者に対して、国が認定した機関をいいます。主な支援機関として、以下の機関があります。
- 金融機関
- 税理士
- 税理士法人
- 公認会計士
- 中小企業診断士
- 商工会・商工技術
日本中小企業金融サポート機構は、専門的な知識や経験を有したスタッフが在籍していて、中小企業の支援を行っているとのことです。
3種類の契約方法を採用
日本中小企業金融サポート機構は、対面、郵送、オンラインの3種類の契約方法を採用しています。特にオンラインでは、契約に弁護士ドットコムが監修しているクラウドサインを使用。セキュリティ面において個人情報について不安のある人でも安心して利用できるそうです。遠方で即日現金化を希望する場合、オンラインでの契約で対応可能となっているようです。
個人事業主も利用可能
ファクタリング会社の中には個人事業主の利用ができないところもあります。しかし、日本中小企業金融サポート機構は、個人事業主の利用はできるようです。ただし、売掛先が個人である場合、注意が必要とのことです。
サイト内の「即日調達診断」に利用で調達金額の概算がわかる
日本中小企業金融サポート機構のサイト内に「即日調達診断」ツールがあり、調達金額の概算がわかるしくみになっています。
調達希望額、手持ちの売掛金の2つの質問に答えるだけで、およその調達可能額がわかる仕組みになっています。資金繰りの目安として重宝されているそうです。ただし、あくまで目安である点に注意が必要です。
日本中小企業金融サポート機構の利用の流れ
日本中小企業金融サポート機構の利用の流れは以下のようです。
1. 問い合わせ
日本中小企業金融サポート機構のHPのお見積りフォームまたは電話にて問い合わせます。
2. 必要書類の提出および審査結果の案内
問い合わせの内容を専属スタッフが確認し、問題なければ必要書類を提出します。必要書類(通帳のコピー、売掛金に関する資料。本人確認資料)の提出から最短30分で審査結果を提示するとのことです。
3. 契約・入金
審査結果が問題なければ契約です。オンラインでの契約もできるので、申し込みから最短3時間で入金可能とのことです。
日本中小企業金融サポート機構のメリットとデメリット
(引用元:一般社団法人日本中小企業金融サポート機構)
日本中小企業金融サポート機構のメリットおよびデメリットにはどのような点があるのでしょうか。
メリット
メリットとして、以下の3点が考えられます。
- 審査結果が最短30分でわかり、即日入金が可能
- 低手数料で利用可能
- 買取金額に制限がない
審査結果が最短30分でわかり、即日入金が可能
申込から最短30分で審査結果がわかり、即日入金が可能な点がメリットとして考えられるでしょう。経験豊富なスタッフが在籍しており、迅速な審査が見込まれます。ファクタリングは主に売掛先を審査します。申込事業者が赤字決算や債務超過であっても、審査に影響しないとのことです。
審査後、問題なければ契約に至りますが、申し込みから最短3時間で指定口座に入金されるそうです。なお、即日入金を希望の場合、できる限り午前中に申し込みをするのがいいでしょう。
低手数料で利用可能
手数料が1.5%~と低く設定されていることも日本中小企業金融サポート機構のメリットといえそうです。非営利法人であることが低手数料の理由として考えられています。
通常、ファクタリング会社は株式会社がほとんどで、利益をあげる必要があるため、手数料は高く設定されがちとなります。日本中小企業金融サポート機構は一般社団法人であるため、他のファクタリング会社同様、手数料を高くする必要はないようです。
買取金額に制限がない
一般的にファクタリング会社は買取金額に下限金額、上限金額を設定しているところが大半です。日本中小企業金融サポート機構は、調達金額に制限を設けていない点がメリットだといえそうです。ファクタリングの利用を検討しても、買取希望金額が下限金額や上限金額に引っかかり、利用を諦めざるを得ないケースがあります。その点、日本中小企業金融サポート機構は、買取金額に下限・上限金額を設けていません。実績として3万円~2億円があるので、売掛金額の大小に関わらず、利用できそうです。
デメリット
デメリットとして、次の3点があります。
- 2社間ファクタリングでは手数料が高くなってしまう
- 3社間ファクタリングの現金化には時間を要する
- 個人事業主同士の取引には注意を要する
2社間ファクタリングでは手数料が高くなってしまう
手数料が1.5%~と日本中小企業金融サポート機構のサイトでは、上限手数料を表示していません。2社間ファクタリングにおいては、3社間ファクタリングより通常手数料が高くなります。日本中小企業金融サポート機構も例外でないということです。
とはいえ、非営利団体としてファクタリングサービスを提供しているので、通常2社間ファクタリングの相場より低いと考えられます。サイト内のコラム記事に示されている、2社間ファクタリングの相場(8%~18%)を超えることはないと考えられるでしょう。
3社間ファクタリングの現金化には時間を要する
最短即日現金化が可能とのことですが、3社間ファクタリングを利用する場合、即日現金化は厳しいようです。売掛先に承諾を得る必要があるからです。3社間ファクタリング利用については、事前に売掛先に説明しておく必要があるでしょう。売掛先の中には、取引先がファクタリングを利用していることを知り、不安視する事業者もあるかもしれません。
3社間ファクタリングを利用する場合、信頼関係にヒビが入るリスクも考えておく必要もあるでしょう。
個人事業主同士の取引には注意を要する
日本中小企業サポート機構では、個人事業主同士の取引には注意が必要かもしれません。
売掛先が個人事業主でも買取可能な場合がある、とサイト内で記載されています。
言い換えると、売掛先が個人事業主の場合、審査次第では通らないリスクがあることを示唆しています。
日本中小企業サポート機構では、個人事業主も法人同様、利用可能です。ただし、売掛先が個人事業主の場合は、売掛金を買い取ってもらうには注意が必要でしょう。
日本中小企業金融サポート機構の口コミ
日本中小企業金融サポート機構の口コミには、どのようなものがあるのでしょうか。
- 商機を逃さずに済んだ
宿泊業はBtoCなのでファクタリングは無理と諦めていたのですが、予約サイトや旅行代理店などからの売掛債権はBtoB扱いになるので、迅速かつ安価なご対応により、商機を逃さずに済みました。
- 銀行融資が厳しいところは利用するのも手
運転資金の調達として利用。零細企業の為、銀行からの資金調達も難しかったので、簡単なコンサルも含めて依頼。時間的拘束がなく、郵送での対応は仕事への影響も限定的にできました。
- 不安が残る対応だった
審査書類を出して1時間後、数日間何も連絡がなかった。こちらから電話すると、「今回は厳しい」という回答のみで、不安だけが残った。
まとめ
(引用元:一般社団法人日本中小企業金融サポート機構)
日本中小企業金融サポート機構は、株式会社ではなく、一般社団法人という、非営利法人が運営しているファクタリング会社です。ファクタリングを含む金融コンサルタント業を営んでおり、国から経営革新等支援機関として認定されています。
日本中小企業金融サポート機構は、低手数料で即日振り込みが可能とのことです。しかしながら、手数料は、1.5%~と上限についての記載がないため、ご使用の際には手数料その他を確認の上対応をお願いします。