売掛金を早期資金化できるサービスとして注目を集める「ファクタリング」を導入する企業が増えつつあります。
銀行融資などの資金調達は難易度が高く、審査を受けても落ちてしまう企業は少なくありません。
その点、ファクタリングの審査は比較的柔軟とされ、利用できる企業も多く、今後ファクタリング市場は拡大すると見込まれています。
この記事では、注文書買い取りファクタリンクサービスである「BESTPAY」を徹底的に調査してみました。
参照:公式サイトより
売掛金ではなく注文書の買い取りという部分にも注目し、BESTPAYの利用の流れや必要書類、そして特徴について詳しく解説します。
BESTPAYとは?
注文書および発注書のスピード買取・資金調達のサービスをおこなっているのがBESTPAYです。
注文書および発注書が発行されてから入金されるまでには数か月かかることが多く、その間に資金難に陥ることも少なくありません。
つまり、BESTPAYは入金までの期間を短くするサービスを提供しているようです。
BESTPAY の基本情報
BESTPAYは、Tranzax株式会社が提供する注文書買い取りファクタリンクサービスです。
Tranzax株式会社は電子記録債権を活用したPOファイナンスを提供する金融とITを融合したFintech企業とされ、電子債権記録機関としてISMS (ISO/IEC27001)の認証を受けているようです。
ファクタリングとは、売掛金(売掛債権)を売却し資金調達する手法です。
従来のファクタリングは納入後請求書受領時点で資金化するサービスでしたが、Tranzax株式会社の提供するBESTPAYでは受注時点(注文書・受注書受領時点)で資金化するサービスとしています。
Tranzax株式会社の所在地は、東京都新宿区山吹町となっています。
BESTPAY 利用の流れ
BESTPAYを利用する際の大まかな流れは、以下の3STEPになるようです。
参照:公式サイトより
STEP1.ヒアリング
申込みフォームまたは電話から問い合わせ可能とされています。
申込み方法によって、受付可能時間が異なるので注意してください。
●申込みフォーム:24時間365日対応
● 電話(0120-455-030):10時から19時まで(平日のみ)
いずれかの方法で申込みをおこなうと、その後オペレーターと繋がり、申込み内容および注文・発注書の概要について質問されるようです。
STEP2,必要書類の提出および審査
ヒアリングで疑問点を解消でき、さらに申込内容や注文書・発注書の概要に問題がなければ、本審査に入るとのことです。
本審査時には、「本査定申込書」がオペレーターより送られてくるようなので、そちらの必要事項に記入して返送しましょう。
本審査時には、注文書・発注書、3ヶ月分の通帳、前述した本査定申込書の提出が必要になるようです。
必要書類と提出方法については、オペレーターより詳しい説明があるはずなので、そちらの指示に従いましょう。
STEP3.契約および振込
必要書類がBESTPAYに届くと本審査に入り、審査が終了するとBESTPAYとの契約手続きに移行するようです。
契約前には、手数料や振込額が明示されるはずなので、そちらも確認したうえで契約するか判断しましょう。
契約手続きが完了すると、最短翌日で振込をしてくれるようです。
注意してほしいのが、契約時に面談が必要とされている点です。
審査時は来店不要ですが契約時には面談が必須とされているため、遠方の方は注意しましょう。
遠方の事業者の場合は、BESTPAY側からあなたの会社に訪れて面談してくれるサービスもおこなっているとのことなので、新宿区へ向かうのが難しい場合は事前に相談しておくのがおすすめです。
BESTPAY の必要書類
BESTPAYの審査時には、以下の3つの書類を求められるようです。
● 注文書(発注書)
● 通帳3ヶ月分(表紙付き)
● 本査定申込書
本査定申込書は、前述したようにBESTPAYのオペレーターより提供されるとのことなので、必要事項を記入した上で提出してください。
会社概要
BESTPAYを運営する株式会社アレシアの会社概要を掲載します。
●会社名:株式会社アレシア
● 代表取締役社長:班目裕樹
● 本社住所:〒162-0801 東京都新宿区山吹町261 トリオタワーノース4F
● 本社電話番号:03-4214-8282
● 営業時間:平日午前10時00分から午後19時00分(土日祝祭日を除く)
● 事業内容:ファクタリング、資金コンサルティング、投資コンサルティング、経営コンサルティング
創業は2017年1月なので比較的新しい会社です。
2019年3月に大阪支社を設立しており、近年では関西方面にも力を入れているようです。
BESTPAY の5つの特徴
BESTPAYの公式HPを確認したところ、利用する前に把握しておきたい5つの特徴を発見したのでここで解説します。
豊富な取引実績
参照:公式サイトより
BESTPAYの公式ページには、以下の実績が掲載されていました(株式会社アクシアの成績)。
● 最大買取実績:4億1,268万円
● 最低買取実績:15万円
● 平均買取額:615万円
● 年間相談実績:8,455件
● 平均買取率:88.8%
● リピート実績:62.5%
● 最多利用業種:建設業
高額買取だけではなく定額買い取りにも対応しており、それぞれの会社に合わせた利用ができるようです。
年間相談実績は8,000件以上で、平均買取率が約90%もあるとのことなので、審査についてそれほど難易度は高くないと考えられます。
リピート率は60%を超えているとのことなので、利用者からの評価は高いようです。
早期の資金確保が可能
参照:公式サイトより
BESTPAYの注文書買い取りファクタリンクサービスは、受注ベースの未確定債権を資金化できるとされているため、簡単に言ってしまえば受注段階で資金化できます。
ファクタリングサービスは、請求書(売掛金)の買い取りであり、仕事が完了してから資金ができるのが一般的です。
しかし、BESTPAYの多くを占めるとされる建設業の場合は、建材の仕入れや外注費など多額の資金が必要不可欠です。
それらを実費で支払うとなると自前で用意できなければ、銀行融資などに頼らざるを得なくなります。
そこでBESTPAYを活用すれば、注文の時点でスピーディーに資金調達できる可能性が出てくるのです。
申込むと、最短翌日、遅くても3営業日程度で金額が振り込まれるとのことなので、資金繰りに悩む方からすると大いに助かるサービスです。
ちなみに、企業における通常の入金の流れは、まず見積書を発行し、注文書・受注書受領すると納品・納品書発行へと至ります。
その後、受領書を受領し請求書を発行し、やっと入金になります。
注文書・受注書受領から入金までには2か月から4か月かかることが多く、最大で180日間かかる例もあるほどです。
発注者の承諾不要
BESTPAYの注文書買い取りファクタリンクサービスは、発注者の承諾を不要としているようです。
したがって、発注者に知られることなく注文書を売却できるので、今後の取引や会社の信用情報にも影響はないと考えられます。
そもそもBESTPAYで採用してるのは、2社間取引です。
2社間取引とは取引先に通知せずに債権を買い取りするサービスであり、利用側の企業は比較的気軽に利用できます。
ちなみにファクタリングには3社間取引と呼ばれるものもあり、そちらは取引先を交えた交渉が必要で、相手企業に債権の売却がバレてしまうため信用情報に影響する可能性もあります。
ファクタリングの利用を理由に今後の契約を打ち切られるケースもあるため、リスクが高いファクタリングの取引方法と言われています。
したがって、周囲に知られることなくファクタリングサービスを利用したいのならBESTPAYのような2社間取引がおすすめです。
ノンリコースを採用
BESTPAYはノンリコースを採用しているため、万が一、買い取ってもらった債権の資金が回収不能になっても返済義務はないようです。
ノンリコースとは償還請求権のない契約であり、債権の売却時点でその債権の所有者はファクタリング会社となります。
したがって、債権を売却した企業は、債権に対し責任を追わなくて済むというシステムなのです。
BESTPAYは注文書買い取りファクタリングであるため、入金までには通常の売掛金によるファクタリングよりも時間がかかるのが一般的です。
ノンリコースでなければ不安になるのは確かで、実際に支払いがなければ大きな負担を抱えることになります。
個人事業主でも利用可能
BESTPAYは、個人事業主やフリーランスでも利用可能とされています。
BESTPAYの公式ページのQ&Aにも以下のように記載されています。
Q個人事業主でも利用できますか?
A個人・法人を問わずご利用いただけます。
但し、「注文書」の取り扱いは法人のみとなります。
「請求書」は、個人/法人共にご利用いただけます。
引用:BESTPAY公式ページ
つまり、請求書のファクタリングであれば法人以外もOKとされているため、個人事業主およびフリーランスでも問題なく利用できるようなのです。
ただ、個人事業主・フリーランスの方に関しては、専用の申込みフォームが用意されているので、そちらからの申し込みが必要になります。
近年では、コロナ禍の影響もあり脱サラして個人事業主やフリーランスで活躍している方も増えてきました。
個人で仕事をしてると、より資金繰りは難しくなります。
「仕事を受注したいけど、資金がなくて困っている」といった個人の方でも資金調達に利用できるのがBESTPAYです。
BESTPAY の4つの注意点
BESTPAYの公式HPを調査していたところ、4つの注意点を発見したため、ここでそれらを解説していきます。
買い取り手数料は審査次第
BESTPAYの公式HPでは、注文書の買い取りファクタリングの手数料を「5%~」と表記しています。
つまり、明確な手数料率を公表していないので、10%かも知れないし20%かも知れません。
場合によっては3%を超えてしまうことだって考えられるのです。
ちなみに、BESTPAYで対応している2社間ファクタリングの手数料率相場は10%から30%とされています。
契約時に面談を求められる
申込みはWEBや電話からできますが、契約時には面談が必須とされているようです。
審査時は来店等不要となりますが、契約時にはご面談が必要になります。
ご来社いただくか、遠方の事業者様に関しては訪社させて頂いております。
引用:BESTPAY公式ページ
BESTPAYは、審査まで対面は不要なようです。
しかし、と最終的な契約手続きをおこなう際は、面談を求められるため対応しなければならず、その点を負担に感じる方もいるでしょう。
地方在住の場合は、担当者が出張してくれるそうですが、そのぶん資金の確保までに時間がかかる恐れも出てきます。
「オンラインで完結させたい」といった希望は叶えられないようなので、その点は理解したうえで申し込みするか判断する必要がありそうです。
原則100万円以下の小口買い取りは不可
BESTPAYの注文書買い取りファクタリンクサービス利用額は100万円とされているため、数十万円の小口の買い取りには対応していないようです。
したがって、申込む際はある程度まとまった金額で申請する必要があると考えられます。
ファクタリングサービスの中には、50万円や30万円といった小口に対応しているところも少なくありません。
高額の利用だとまとまった資金の確保はできますが、特に個人事業主やフリーランスの場合はそもそも案件一つで100万円に届かないことが少なくありません。
BESTPAYは、少額取引が多い方の利用には適していないようです。
買い取り不能な注文書あり
基本的には契約が完了している注文書・受注書であれば、業種を問わず買取が可能としていますが、一部対応していない注文書もあるようです。
具体的には、既に他に譲渡している注文書、回収の難しい売掛債権(不良債権)、受注先が反社会的勢力や公序良俗に反する企業に属するものです。
まとめ
注文書買い取りファクタリンクサービスの「BESTPAY」について解説しました。
BESTPAYは注文書買い取りのサービスであり、入金サイクルを最大180日も短縮できる可能性もあります。
取引実績も公式HPによると8,000件以上と豊富なので安心感もあり、ノンリコースを採用しているため低リスクで利用できるようです。
ただ、公式HPの内容が全て正確とはいえないので、鵜呑みにするべきではありません。
BESTPAYの利用を検討している方は、事前に問い合わせおよび確認をおすすめします。