売掛金の早期資金化によって資金を調達できる「ファクタリング」が徐々に普及しています。
今後、ファクタリング市場は長期間にわたって拡大していくようです。
市場の拡大に伴い、ファクタリング・サービスの数も増え続けています。
この記事では、株式会社日本ビジネスリンクスのファクタリング・サービスである「LINK」について徹底的に調査してみました。
LINKの基本情報、特徴、注意点について詳しく解説します。
LINKとは?
簡単にいえば、ファクタリングは、売掛金を売却する資金調達方法です。
売掛金は、支払期日に代金を受け取る権利であり、これを売買するファクタリングは法的には債権譲渡取引に分類されます。
数あるファクタリング・サービスのひとつに「LINK」があります。
LINKの基本情報
LINKは、株式会社日本ビジネスリンクスが提供するファクタリング・サービスです。
公式HPの会社概要によれば、ファクタリング事業のほか、各種コンサルティング業務も取り扱っているようです。
株式会社日本ビジネスリンクスの所在地は、東京都豊島区東池袋となっています。
(公式HPより)
LINKが対応しているファクタリングの種類
以下の通り、LINKでは複数のファクタリングに対応しているようです。
2社間ファクタリング
ファクタリングの方式を大別すると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
このうち、2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社の2社間だけで取引する方式です。
LINKでは2社間ファクタリングに対応しているとのことです。
この場合、売掛先は一切関与せず、あくまでも利用会社とLINKの2社間で取引します。
これにより、売掛先に知られずファクタリングできます。
3社間ファクタリング
LINKは、3社間ファクタリングにも対応しているそうです。
3社間ファクタリングの場合、利用会社とLINKと売掛先の3社間で取引するため、売掛先の関与が必須となります。
3社間ファクタリングのメリットとして、LINKは「手数料が低めに設定されていること」を挙げています。
診療報酬・介護報酬・調剤報酬ファクタリング
医療機関や介護事業者、調剤薬局などが保有する売掛債権はやや特殊です。
医療機関ならば診療報酬債権、介護事業者ならば介護報酬債権、調剤薬局ならば調剤報酬債権をファクタリングする必要があります。
これらの債権は、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会などが支払人となり、手続きも特殊なため、通常のファクタリングは利用できません。
LINKでは、診療・介護・調剤報酬ファクタリングにも対応しているとのことです。
LINKの利用の流れ
LINKを利用する際の大まかな流れは、以下の3STEPになるようです。
STEP1 申し込み・必要書類の提出
最初に、LINKにファクタリングを申し込む必要があります。
公式HPの申込フォーム、電話、メール、LINE、FAXなどによって申し込めるようです。
公式HPのフォームから申し込む場合、申し込みと同時に必要書類を添付することもできるとのことです。
提出方法には、PDFファイルでの提出、写真データでの提出、メールへの添付などがあるそうです。
STEP2 審査・見積書の提示
必要書類の提出が完了すると、簡単なヒアリングの後に売掛先の審査を行うとのことです。
審査によって、ファクタリングの可否や手数料などの条件が決まります。
審査結果は見積書によって提示されるようです。
STEP3 契約・着金
利用会社が見積もりの内容に承諾すると、LINKと契約を結びます。
契約締結後、指定口座に買取代金が振り込まれます。
オンライン・ファクタリングを利用する場合、契約には電子契約を利用するようです。
LINKの必要書類
STEP1で提出する書類について、LINKの公式HPにはいくつかの情報があります。
トップページなどでは「写真を撮って請求書と通帳を送るだけ 」としていますが、「ご契約までの流れ」では以下の書類 を挙げています。
- 買取対象の請求書
- 身分証明書(運転免許証・パスポートなど、顔写真付きのもの)
- 直近の取引入金が確認できる通帳全て・当座通帳照合表(過去6ヶ月分)
- 決算書(直近1期分)
- 取引先との成因資料(基本契約書、発注書、注文書、納品書、支払通知書など)
さらに、審査結果によって追加資料が必要になる場合もあるようです。
LINKの特徴
LINKの公式HPでは、以下の8つを特徴として挙げています。
(公式HPより)
これらの特徴についてみていきましょう。
業界最安水準の手数料
LINKは、手数料の設定を「業界最安水準」としています。
トップページなどでは「2%~」と表記されていますが、実際の手数料率は2%~14.9% になるようです。
ただし、ファクタリングの方式や種類ごとの手数料の目安については確認できません。
オンライン完結
LINKでは、ファクタリングの手続きをオンラインで完結できるようです。
オンラインの場合、申し込みから契約まで一貫してオンラインで手続きします。
このため、公式HPの「他社との比較」においても、面談・来店を不要としています。
ただし、「審査結果によっては面談が必要になる場合もある」との記載 もみられるため、面談・来店が100%不要というわけではなさそうです。
最短2時間で入金
LINKはスピード対応を売りにしているようです。
特徴として「最短2時間 で入金」を挙げているほか、公式HP内には「業界最速級のスピードでお買取り資金化いたします」 といった文言もみられます。
ただし、これはあくまでも“最短”2時間であり、必ずしもスピード対応を受けられるとは限りません。
実際に、公式HPの「よくあるご質問」には、「着金まで平均は2日~3日 ほどですが、最短即日に資金調達が可能です」と記載されています。
即日対応のためには、「事前に必要書類を準備しておくこと」、「午前中のなるべく早い時間に申し込むこと」 などが必要になるようです。
相談・査定無料
LINKでは、4つ目の特徴として「相談・査定無料」を挙げています。
公式HPから無料査定を申し込むことができ、事前に概算の資金調達額が分かるそうです。
ただし、大抵のファクタリング・サービスでは相談・査定無料を基本としているため、際立った特徴ではありません。
最大1億円まで資金調達可能
ファクタリング会社によって申込額の設定が異なります。
LINKは最大1億円まで対応しているようです。
申込額の上限を数千万円に設定しているファクタリング・サービスも多いため、LINKの設定は比較的大きいといえます。
他社より好条件
公式HPによれば、LINKは乗換えを優遇しているようです。
現在、他のファクタリング会社を利用している会社がLINKを利用する場合には、「他社より好条件をご提示いたします」とのことです。
優遇の一例として、利用手数料の引き下げを挙げています。
このほかにも様々な特典がある ようですが、具体的な内容は不明です。
柔軟な審査
7つ目の特徴によれば、LINKでは柔軟な審査を行っているようです。
ただし、単に「弊社独自の柔軟な審査」としているだけで、具体的にどのような柔軟性が期待できるかは不明です。
安心・秘密厳守
8つ目の特徴は、「安心・秘密厳守」としています。
利用会社とLINKの2社間で取引する「2社間ファクタリング」を利用する場合、売掛先に知られることなく資金調達できます。
ただし、利用会社による契約違反等が発覚した場合、売掛先に通知することもあるようです。
その他の特徴
LINKでは、以上の8つの特徴を挙げています。
そのほか、公式HPから分かる特徴は以下の通りです。
個人事業主でも利用可
ファクタリング会社によって対応している事業者区分が異なりますが、LINKは法人・個人事業主を問わず対応しているようです。
また、基本的に事業内容も問わないとしています。
その他の費用
上記の通り、LINKでは手数料を「2%~14.9%」としています。
その他の費用については特に説明がないものの、事務手数料・出張費・登録費用については「なし」とのことです。
LINKを利用する際の注意点
LINKの公式HPを調査していたところ、いくつか注意すべき点を見つけたため、ここでまとめて解説します。
債権譲渡登記について
ファクタリングは債権譲渡取引のため、債権譲渡登記が必要になる場合があります。
LINKでは、公式HPの随所に「債権譲渡登記不要」の記載がみられますが、「よくあるご質問」では、「債権譲渡登記は必要ですか?」の問いに対し、原則必要とされていますが、「利用会社の事業内容や資金繰り状況を鑑みて留保も可能」といった記載もみられます。
3社間ファクタリングを利用する場合
LINKでは、3社間ファクタリングも利用できるそうです。
3社間ファクタリングを利用する場合には、売掛先への説明をLINKが代行したり、売掛先まで同行して説明するなどのサポートを行っているようです。
ただし、ファクタリング会社と売掛先の接触が必ずしも好ましいとは限りません。
サポートを希望する場合には、事前の打ち合わせが必要になるでしょう。
他社利用中の場合
LINKの特徴にもある通り、乗り換えによって優遇を受けられるようです。
「よくあるご質問」 において、「現在ファクタリング他社利用中でも契約できますか?」との問いに対し、「場合によっては可能」とされています。
税金を滞納している場合
LINKを利用する際、税金を滞納している会社は要注意です。
税金の滞納金額や滞納期間によってはファクタリングできない可能性があります。
LINKでは、この点について「要相談」としているため、税金を滞納している場合には一度問い合わせてみるのが良いでしょう。
まとめ
株式会社日本ビジネスリンクスのファクタリング・サービスである「LINK」について解説しました。
LINKの特徴をみても分かる通り、対応のスピードや手数料の安さ、乗り換えの優遇などのメリットがあるようです。
ただし、公式HP内に異なる情報が混在しているため、鵜呑みにするべきではないでしょう。
LINKを利用する際には、事前の問い合わせ・確認をおすすめします。